自宿創作/世界観

《大災厄》

 世界のシステムとも、バグともいうべき事象。
 およそ千年に一度発生する。疫病、戦争、災害など形は様々だが、現世の文化を根底から破壊し人口を激減させ、世界を混沌の時代へ戻す。
 《大災厄》の時期が近付くと、災厄に対応できるよう卓越した能力を持つものが生まれやすくなるが、次々と災厄が起こるため対応が追い付かず、結果として生命は滅亡する。そのため《大災厄》の本質は〝災厄の連鎖〟と言える。

種族:魔女/魔法使い

 人間から生まれた異端の存在。突然変異種。不老長寿。
 生命力を魔力に変換する魔力回路の本数が人間より圧倒的に多く、その質も比べ物にならないほど高い。
 人間には不可能な、大気の魔素を取り込み己の魔力にすること、魔力を生命力に還元することが可能。
 世界のバランスを保ち、人とそれ以外の間を取り持つ調停人として生まれたが、ここ数百年は世界が安定していたため(そして人間側からは異端として魔女・魔法使いが排除されてしまったため)、魔女魔法使いたちの数が減るように調整されていた。
 ちなみに魔女/魔法使いのどちらを名乗るかは本人の自由。性別によらないため、男性の魔女や女性の魔法使いも普通にいた。
 古い魔術師の家系は祖先に魔女/魔法使いがいたことが多く、アルフレドは火の魔女の子孫にあたる。ただし種族として魔女/魔法使いの存在は忘れ去られ、記録さえ残っていない。リアーネの一族でさえ祖先が魔女という種族であったことを忘れてしまった。
 リアーネは魔女の血を濃く残した一族の末裔。一族には時折未来視の異能もちが生まれており、その才能に目をつけた【管理者】の一柱が干渉した結果、リアーネは魔女にかなり近い体質となって生まれた。
当初リアーネが持つ未来視はそれほど強力なものではなかったが、いくつもの冒険を重ね、神秘と邂逅したことで強化され、先祖返りが進み完全な魔女として覚醒。しかしその結果、リアーネは《大災厄》の呼び水ともなってしまう。

【管理者】

創世神が去った後、世界の管理を行っている上位存在。冒険者たちが生きる【現世】よりも上の次元に存在するため、現世側から干渉するのはかなり難しい。
いわゆる神に相当し、現世の神話はこの管理者たち(の一側面)をモデルにしているものも多い。
リアーネを魔女に近づけさせた管理者は、聖北の神のモデルとなった管理者とはまた別の個体。教会側はそれに気づいていない者もいれば、理解して利用している者もいる。

魔力回路

 生命力を、魔素で構成された魔力に変換するのが魔力回路。この回路の使用時、精神力を消費する。
 回路の本数が多ければ瞬間的に生成できる魔力量が増え、回路の質が高ければ少ない生命力でより多くの魔力を生成できる。魔女・魔法使い族はこの回路の本数が人間より圧倒的に多く、質も高いため、膨大な魔力を生み出すことができる。
 魔術を使いすぎると「欠乏症」を起こすのは、魔力を生み出すために生命力を削りすぎたせい。生命力を回復させるには休息(時間経過、睡眠)をとるか、食事で外部から補う(こちらの効率はあまりよくない)。魔法薬は生命力と精神力を補う効果がある。
 リアーネは膨大な魔力回路を持ち、魔女の種族特性から大気の魔素を己の魔力・生命力に変換することができる。結果、瞬間的に生み出せる魔力の量も、魔力の総量も膨大というチート枠。
 アルフレドの魔力回路は、本数は平均的。質もそこそこいい程度。特徴として魔力の生成スピードが速く、魔術剣技の特徴も合わさって魔術を高速で発動できる。自分のスペックを正確に理解しているため、あらかじめ魔力を込めた宝石の使用などで補っている。
 ソールは元来膨大な生命力をもち、魔女族の「魔素を己の生命力・魔力に変換する」機能を持つ。ただし魔力回路の本数自体は少なく、瞬間的に多量の魔力を必要とする術は発動できない。魔力の素となる生命力は多いため、消費魔力が少ない術を長時間使用し続けることは可能。
 アステールはの魔力回路は質・本数ともに申し分ない高性能(アルフレドより上、リアーネには一歩及ばない)。ただし素となる生命力は人間平均クラス(何ならちょっと少ないかも)の為、瞬間的に多量の魔力を生み出すことは出来ても、それを連発すると欠乏症を起こしかねない。消費魔力が少ない術を長時間使用し続けることも、ソールより断然早く限界が来る。
 

魔法と魔術/精霊術/神聖術(奇蹟)

魔法と魔術

リアーネ「光る大剣が撃ち出される光景をイメージします。すると出ます」
アルフレド「なんて?」

 「術者のイメージを魔力で現実世界に出力することで様々な現象を起こす」という基本的なシステムは共通。
 最初は魔女・魔法使いが手足の延長で魔力を使い、色々な現象を起こしていた。脳からの電気信号が神経を伝って手足につたわり動く……なんて小難しいことは考えず、「イメージすれば起こせる現象」というのが魔法。イメージを明確化するために呪文の詠唱や踊りなどの動作を加えることはあるが、あくまで「イメージすること」が重要なので必須という訳ではない。
 メリットは決まった型がないため、(魔力で出力できる範囲なら)イメージ次第で何でも出来ること。デメリットは、イメージがぼんやりしていると暴走の危険性が高いこと、同一の現象を起こしづらいこと。

 これでは不便であると開発されたのが魔術。言葉や動作、模様が人の深層心理にどのように影響するのか緻密に計算し、呪文等を厳密に設定することで、誰がいつ使っても同一の現象を引き起こせるようにした。
 呪文は大抵古代魔術語で設定されているが、イメージ厳密化のために長文で発声も困難なため、各々「その呪文を想起する自分なりの現代語訳」を考えて詠唱している。
 ちなみに古代魔術語は、魔術が開発され始めた当時使われていた共通語。今は魔術用の言語としてしか使われていないため「古代魔術語」と呼ばれている。
 メリットは前述のとおり何度でも同一の現象を起こせること、また緻密に設計されているため魔力の無駄がなく、魔法に比べて少ない魔力量で発動できること。
 デメリットはイメージが厳格化されているため、即興でのアレンジ(光る矢を撃ち出す→光る槍を撃ち出すなど)が困難なこと。また決められた手順を一つでも間違えると暴走の危険性がきわめて高く、どんな現象が起こるか予測も困難である。

 リアーネは「箒で空を飛ぶ」という魔法を愛用しているが、本来魔術では空を飛ぶことはかなり困難(「人間は空を飛べない」というイメージが強固なため)。しかしリアーネにとって魔女が箒で空を飛ぶのは当たり前で、歩く走るの延長線上に「飛ぶ」があるため、少ない魔力で「飛ぶ魔法」を使うことができる。

星の塔で販売している星天魔法について

 冒険者たちに販売するにあたって「技能名」「詠唱例」を定義しているため、定義的にはかなり魔術寄り。
 普段リアーネは「神話の狩人のように決して外れない矢」「星の光を集めた大剣を撃ち出す」など(魔術師からすれば大雑把な)イメージで魔法を発動させているが、技能として公開するにあたり「技の名前と詠唱例ぐらいは出さないと誰も同じ技使えないぞ」と言われてしまったためこの形に。

精霊術

 祈りによって精霊の力を借り、様々な事象を起こす技。
 精霊術の場合、事象を引き起こしているのはあくまで精霊であり、術者が精神力を消費するのは精霊との交信部分。シャルロットの場合歌という形で精霊と交信している(歌を捧げている)ので、その時精神力と微量の体力を消費している。喉の疲労も多少は。ちなみに呪歌は声そのものに魔力を込め、歌を聞いた対象に様々な効果をもたらす。

神聖術(奇蹟)

 信仰によって主からもたらされる奇蹟。祈りをトリガーに様々な事象を起こす技。祈る時に精神力を消費する。
 あくまで「主から賜った奇蹟」であり、術者自身が奇蹟を起こしているわけでは無い……ということになっている。
 信仰心を持っていないのに神聖術が使える者、反対に信仰心を持っているのに神聖術が使えない者がいるため、そのシステムはよくわかっていない。しかしそれを暴こうとするのは、信者からすると不遜ということになる。
 傍から見れば、精霊術とは祈る対象が違うだけ。だからこそ、精霊術は異端として追いやられた。

才能がモノを言う度合い

最低限魔力があれば発動はできる魔術、センスがものをいう割合は大きいが訓練次第でも結構変わる魔法に比べて、精霊術・神聖術は術者以外の存在の力を借りるために、持って生まれた才能に左右される部分が大きい 気まぐれな精霊よりは、信者には若干寛大な聖北神の方が力を借りられる確率は高め

吸血鬼

 異界由来の「最初からそう生まれた存在」と、死者が蘇ったアンデッド型の二つに分けられる。
 フィレンおじちゃんは異界由来、〝夜香蘭〟、コーリアスはアンデッド型。
 異界型もアンデッド型も、血液(特に人間の血液)を主な活動源とするのは共通。
 異界型は血族によってその特徴が大きく変わるが、大抵は「最も美味と感じ、エネルギーを摂取できるのは人間の血液」「他の食糧も摂取は可能だが、それほどエネルギーを摂取できるわけではない」という傾向にある。
 アンデッド型は血液からしかエネルギーを摂取できない。他の食糧も口にし、飲み込むことはできるが、味はほとんど感じられないし、栄養素を摂取できるわけではない。
 真祖とは、その一族のはじまりの個体を指す。圧倒的な力を持つ強大な存在。